コラム

サンクスギビングのご馳走!甘いソースで食べるローストターキー

「アメリカのご馳走!サンクスギビングのローストターキー」

アメリカには、サンクスギビング(感謝祭)という風習があります。このときに食べるのが、七面鳥を丸焼きにする豪快なお肉料理、ローストターキーです。クランベリーを砂糖で煮込んだソースを合わせて、甘くして食べるのが伝統的。本記事では、サンクスギビングという風習やローストターキーについてまとめています。

《家族で美味しいご馳走を食べるお祭り》
サンクスギビングは、アメリカの祝祭日のひとつです。11月の第4木曜日がこれに当てられ、国民は皆、仕事や学校を休んでサンクスギビングを祝います。
親戚を含めた家族とともにご馳走の並んだテーブルを囲み、団らんの一時を過ごすのが伝統的。親しい友人や恋人を食事に招くこともあります。
身内同士で集まり、ゆったりした時間を持つことがサンクスギビングの大きな目的のひとつ。そうして毎日の糧となる食事を摂れることに、深い感謝を捧げるお祭りであると定義されています。

《なぜサンクスギビングの日に七面鳥のお肉を食べるの?》
サンクスギビングは、アメリカ国内で最も七面鳥のお肉が消費される日でもあります。ベジタリアンを除く多くの人々が七面鳥を口にし、毎年4500万超が飛ぶように売れて行くのです。

アメリカではクリスマスなどにもローストターキーを食べますが、やはりサンクスギビングの消費量には及びません。こうした事情から、サンクスギビングは七面鳥を食べる日、「ターキーデイ」とも呼ばれています。

なぜ七面鳥を食べるのかという理由には諸説あるものの、最も一般的なのは「ピルグリムファーザーズ」と「インディアン」にまつわるものです。ピルグリムファーザーズとは、自由に信仰する権利を求めてイギリスからアメリカに渡ったキリスト教(ピューリタン)の人々。
厳しい食糧難の最中に、インディアンの人々から分け与えられたトウモロコシなどの種を育てて生き長らえることができました。

その感謝を示して、とりわけ多くの作物が採れた1621年の秋、ピルグリムファーザーズはインディアンたちを招いて食事会を開きます。このとき、インディアンたちが手土産に持参したのが七面鳥のお肉だったというわけです。これが現在のサンクスギビングの原型となったと言われています。

《伝統的な七面鳥料理「ローストターキー」》

きれいに内臓を処理した七面鳥肉のおなかにハーブやパンで作った詰め物(スタッフィング)を入れ、オーブンでこんがりと丸焼きにします。お肉を焼いたときに出た油は捨ててしまわず、グレービーソースとして活用。濃厚なグレービーは、淡白な七面鳥の味にとてもよく合います。そこに、酸味と甘みのきいたクランベリーソースを合わせましょう。

七面鳥肉を大胆に丸焼きした料理は人目を引き、お祝いごとにピッタリ。興味があればぜひためしてみてください。

材料と作り方はこちら

・七面鳥肉 2kg前後
A
・塩 適宜(お肉全体にまんべんなくすり込める程度)
・コショウ 適宜(お肉全体にまんべんなくすり込める程度)

Bスタッフィング
・フランスパン1本
・バター 10g
・ニンニク 1片
・玉ねぎ 2分の1個
・セロリ 2分の1本
・人参 1本
・タイム(乾燥) 小さじ1.5
・セージ(乾燥) 小さじ1.5
・パセリ(生) 一束
・塩 小さじ1.5
・コショウ 小さじ1.5
・野菜ブイヨン(コンソメキューブで代用可) 固形1個
・水 1カップ

七面鳥肉に塗るバター 30g
グレービーソース用の塩 ひとつまみ
市販のクランベリーソース お好きなだけ

前準備

・七面鳥肉は2日ほど前には購入して冷蔵庫に入れてください。日本では主に冷凍のものが売られていますが、お肉自体が大きいので解凍に時間がかかります。
・フランスパンは、2cm角に切ってバットに重ならないよう広げておいてください。そのまま一晩おくか、200ワットに設定した電子レンジにかけて乾かします。味のついていないラスクのような固さになったらOKです。
・Bの水を熱し、固形ブイヨンを溶かしておきます。
・天板にオーブンシートを敷いておいてください。

ローストターキーの作り方
1,七面鳥をきれいに洗い、キッチンペーパーで水気をぬぐいます。お肉全体にAの材料をまんべんなくすり込んで1~1時間半ほど休ませてください。寒い時期は、冷たい場所に置けば常温でも大丈夫です。もし夏場に作るのなら、冷蔵庫に入れておく方が安心でしょう。

2,ニンニク、玉ねぎ、セロリ、人参、パセリをみじん切りにしておきます。

3,フライパンにバターを焦げ付かないよう熱し、ニンニクを加えてください。香りが立ったら、玉ねぎを加えます。透きとおってきたら、セロリ、人参、パセリを順に加えてください。
ザッと油が回ったらフランスパンと固形ブイヨンを溶かした水を入れ、しっかりと混ぜ合わせておきます。炒め終わったら、冷ましてください。

4,オーブンシートを敷いた天板に七面鳥肉の背を下にして置き、おなかを開きます。その中に3で作ったスタッフィングを詰め込んでください。焼いている間にフランスパンが膨張するので、ギュウギュウにせず8割程度まで詰めるのがポイントです。

5,オーブンを180度に余熱します。

6,オーブンの余熱を待つ間に七面鳥肉を形よく整えます。スタッフィングがこぼれないように注意しながらおなかを下にし、首についた皮は背中側に入れ込みます。脚はタコ糸で縛って固定してください。両脚を持っておしり側にくっつけ軽くクロスさせ、交差した部分を縛るようにすると楽にできます。

7,小鍋にバター30gを入れ、溶かしバターを作ってください。

8,溶かしバターを七面鳥肉の表面にハケでまんべんなく塗りこみます。もし足りない場合は、オリーブ油かサラダ油を少し追加しても大丈夫です。

9,七面鳥肉をオーブンに入れ、180度のまま100分前後焼いてください。

10,焼きあがった七面鳥肉は、すぐに切ると肉汁が逃げてしまうので30分から45分休ませます。その間に天板に出た肉汁を小鍋に取って、グレービーソースを作ってください。上にたっぷり浮いた油をすくい取り、弱火で少しとろみがつくまで煮込みます。塩を加えたら完成!

11,焼きあがった七面鳥肉を切り分け、グレイビーソースとクランベリーソースを添えて召し上がってください。

ローストターキーは大変に手間と時間のかかる肉料理ですが、その分完成したときの美味しさや喜びはひとしお。テーブルでもワアっと歓声が上がり、パーティー感もバツグンです。

余ったお肉は翌日サンドイッチやスープにしても絶品。お肉の骨も、出汁を取るのに再利用可能です。また、クランベリーソースはお菓子の材料やパンにつけるなどして召し上がれます。

かつてピルグリムファーザーズとインディアンたちが豊作を祝って食べた七面鳥。その味に思いを馳せながら、手間ひまをかけたローストターキーを召し上がってみてはいかがでしょう。




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